どうもスベリスト夏目です。
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夏休みということもあって様々なイベントで盛り上がっていますね。
その中でも今年で第100回目を迎えた高校野球は大きくメディアでも取り上げられています。
大阪桐蔭が史上初めての2度目の春夏連覇をするのかといったことが話題になる一方、
実は野球人口が減っていることはご存知でしょうか?
それは社会的な背景が大きく影響しているのではないかと考えました。
目次
- 1.中学校の軟式野球部員の減少
- 2.野球をできる環境がなくなってきた
- 3.野球をやめる理由・やらない理由
- 4.野球部員以外にも減少しているものがあった
- 5.野球人口が減ることはマイナスばかりではない
- 6.強豪校のセミプロ化
- 7.まとめ
1.中学校の軟式野球部員の減少
私が中学生の頃、軟式野球部はサッカー部と1、2位を争う人気の部活動でした。
1学年でだいたい20人ぐらいの子が所属していました。
3年間公式戦に出られない子もざらにいました。競争率は非常に高い部活動で、身体能力が非常に高い子が集まっていました。
しかし、2014年に私が中学校の教員をしていたとき、1学年10人もいませんでした。
3年生が引退すると13、4人ぐらいで紅白戦ですらできない状況になっていました。
今軟式野球部に入る子どもがものすごいスピードで減少しています。
平成22年度には約30万人近くいた軟式野球部員が28年度には20万人を切っています。
少子化の影響で人口が減っていることも影響しているとはいえ、他の部活と比べると明らかに大きく減少しています。
高校野球の部員を下支えしている中学軟式野球部がなぜこんなにも減少しているのでしょうか?
2.野球をできる環境がなくなってきた
私が子どもの頃は学校が終わると家に帰ってバットとボールを持って学校でやっていましたが、今はなかなかそうもいかない状況があることがわかりました。
2-1 公園でのキャッチボール禁止
昔はよく公園でキャッチボールする親子を見かけましたが、今はあまり見かけなくなりました。
理由は
公園でのボール遊びを禁止したからです。
最近ものすごくボール遊びを禁止している公園が増えているように感じます。(お年寄りのゲートボールはしょっちゅう見ますが)
危険であったり、建物を破壊してしまったりするなどボール遊びができない環境が増えています。
そのため野球をする環境が外になくなってきています。
2-2 キャッチボールをする相手がいない
昔はお父さんと土日にキャッチボールをしたり、友達とキャッチボールをしていましたが、実はなかなか今は相手がいません。
お父さんは土日仕事や夜勤の仕事でいなかったり、友達は習い事で予定が合わなかったりで野球しようにもする相手がいません。
それと私は、母子家庭の増加も影響しているのではないかと考えています。
お父さんは子どもの頃野球を経験した人がほとんどですが、お母さんになると野球をしていない人の方が多いです。
そのため、子どもとキャッチボールもあまりしないので野球をする子も減ってしまっているのではないでしょうか?
2-3 野球はお金がかかるスポーツである
野球って実はお金が結構かかります。
グローブにスパイク、帽子、練習着、バットなどなどほかのスポーツに比べてもお金がかかります。
経済格差が進む日本では、貧困家庭で野球を継続して行うのは難しいのかもしれません。
3.野球をやめる理由・やらない理由
子どもの野球人口の減少もですが、大人でも野球をする人は減っているのはなぜでしょうか?
3-1 坊主にするのが嫌だ
高校野球を見て必ず目に入ってくるのが、
坊主頭の球児です。
実は坊主にしなければならない決まりはないそうです。
実際今年甲子園に出場した高校の中でも坊主頭にしていない高校もあります。
髪型が自由でないからやねる人も多いそうです。
3-2 大人になって野球を気軽にできない
野球を大人になってからやろうとするとだいたい草野球チームでやる人が多いと思います。
そこには高校野球をしていた人、中には甲子園に出たことがあるような強者も混じっていることがあります。
私みたいに小学校だけソフトボールをして野球をかじったような人間はそこに入ってやるのは結構しんどいです。
サッカーであればフットサルのように初心者が気軽に入って遊べますが、野球は気軽に遊べる環境が少ない気がします。
名古屋に住んでから知り合いに誘われて野球をしたことはないです。
男性はもちろんのこと女性はなおさら気軽にやれる場所はないのではでしょうか?
4.野球部員以外にも減少しているものがあった
野球部員が減少していることはわかりましたが、実はある人たちも減少しています。
それは、高校野球の審判です。
実は若い人で審判をやる人がいなくて困っているそうです。
近い将来に開催危機も?高校野球審判が深刻な人手不足 | CUCURU(ククル)
高校野球の審判は土日に駆り出され、甲子園の大会期間中は平日でも仕事を休んでやらなければなりません。(もちろん有給をとってですが)
約10日完全後も拘束されることもあるそうです。
長期間の休みがとれる職場環境がこのご時世たくさんあるわけではありません。
しかも仕事や済んで審判をやったからといって日当が出るわけではありません。
せいぜいお弁当代と交通費がでるだけだどうです。
そんな状況下でワークライフバランスを重視する現代の若者の生き方にマッチするのでしょうか?
5.野球人口が減ることはマイナスばかりではない
よくこの手の話題が出ると「野球離れ」などと叫ばれますが、それは野球に携わっている人が嘆いていることであって、関係のない人からすれば全く関係のない話です。
むしろ、今まで野球ばかりにスポットが当たりすぎていたことの方が以上に感じます。高校野球は毎日テレビでやるのにインターハイはテレビでほとんど放送されていません。
野球ばかりやるのではなく他のスポーツにスポットが当たるいい機会だと思います。
高校野球が好きで甲子園という場所に魅力を感じている方には申し訳ありませんが、真夏の熱中症が今年はこれだけ酷い状況でも、水分の対策を立てればいいという考えでやるのはおかしいのかと思います。
日本スポーツ協会が定める熱中症予防の指針に配慮せずに当たり前のように高温下でスポーツをする。
前々から言われていたことであるのでせめて屋根ぐらいつけてはいかがなものでしょうか?
6.強豪校のセミプロ化
高校野球のチームは強くて人気のあるチームはプロ野球のような扱いになってきます。
学校としてはそれで名前が売れるので嬉しいことです。
招待試合で全国を飛び回るなんてこともザラにあります。
それをみると、学業が疎かになっていないのか心配になります。
プロ野球に入ることを目的としている子はいいですが、そうで無い子もいます。
また、プロ野球に入っても引退してから野球以外のセカンドキャリアに就くこともあります。
そういったときにある程度の学力は必要になってきます。
プロ野球を目指すのであれば、サッカーのクラブチームのような形をとって、教育とプロスポーツを目指す道の棲み分けも必要なのではないでしょうか?
7.まとめ
高校野球の人気は今後も継続して行くと思います。
しかし、それと同時進行で野球人口の減少は止められないことだと思います。
昔のように野球に人気が一極集中しているわけではないので、高校球児になる以外の選択肢も増えています。
高校野球が好きでこれからも見たいと考えている方は、その根本の裾野である子どもがキャッチボールができる場所やその相手を作っていくことも考えて行く必要があると思います。
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